工場・倉庫の修繕リフォーム
工場や倉庫も経年劣化していきますが、劣化のサインに気づき早めに修繕することで建物が長持ちします。
また、修繕する際に省エネリフォームをするとメリットがいくつもありますので、省エネリフォームを検討しているのであれば絶好の機会です。
ここでは、工場や倉庫の劣化サインや省エネのための工場リフォーム・工場リフォームのメリットについてご紹介します。
目次
1. 工場・倉庫の老朽化と修繕のタイミング
工場や倉庫は頑丈な造りになっていますが、長く利用していると屋根や外壁などが老朽化していき、雨漏りなどの原因になります。
実際に雨漏りが発生してしまうと、設備や製品が濡れてしまって損失につながったり、床が濡れて従業員が滑って怪我をしてしまったりなどのリスクが高まりますので、早めの予防的な対応が重要です。
修繕のタイミングとしては、建材の耐用年数がひとつの目安になります。
鉄筋コンクリートであれば38年、3mmほどの肉厚の金属造だと24年というように、それぞれの建材の法定耐用年数が決められています。
その耐用年数を過ぎると経年劣化する箇所が増えてきますので、それ以前に改修工事を検討する必要があります。
耐用年数はあくまで目安なので、鉄筋コンクリートだとしても38年放置しておいて大丈夫というわけではありません。
環境によってはもっと早く修繕しなければならないケースもありますので、劣化のサインがないか日々確認することが大切です。
最低でも10年に一度はメンテナンスを行い、修繕を施すことで建物の寿命を延ばすことができます。
耐用年数とリフォームの最適なタイミングについて、くわしくはこちらをご覧ください。
▶【減価償却&耐用年数】工場・倉庫の耐用年数とリフォームの最適なタイミング
2. 建物の劣化サインとチェックポイント
外壁については目視できますし、ある程度の高さであれば手で触れてみて確認することができます。
ここからは経年劣化のチェックポイントについて紹介しますので、同じような現象がないかどうか自分で点検することを習慣づけてください。
劣化が初期の段階であればあるほど修繕しやすく、修繕にかかる費用も安く抑えることができます。
(1)塗装の膨れ・剥がれ
外壁の塗装については塗料によって耐用年数が異なります。
風雨や紫外線などの影響で劣化していくと塗装が剥がれてきたり、剥がれてきた部分やひび割れから雨水が塗膜と外壁材の間に入り込んで膨れてきたりすることがあります。
これらは外壁の劣化サインですので、修繕するタイミングです。
塗膜が剥がれて外壁材が露出した状態になると防水性がないため崩れていき、内部の構造に大きなダメージを受けてしまいます。
塗装が剥がれたり、膨らんだりしている場合は、すぐに業者に依頼して修繕・塗装するようにしてください。
工場・倉庫の「小さな修繕」にかかる費用についてはこちらの記事をご覧ください。
(2)チョーキング
見た目ではわからないのがチョーキングの劣化サインです。
チョーキングは外壁に直接触れてみて、手のひらにチョークの粉のようなものがつくような状態のことです。
塗膜が経年劣化していますので、放置しておくと雨水が染みこんで外壁材の劣化にもつながっていきます。
こちらも外壁塗装で修繕できますので、気づいたらすぐに業者に連絡をするようにしましょう。
(3)クラック
外壁がひび割れ(クラック)をしている場合、そこから雨水が侵入して外壁材や屋根材にダメージを与え、雨漏りを引き起こす大きな要因となります。
細く小さなクラックであれば塗装することで修繕できますが、放置して大きなクラックになるとカバー工法や外壁張り替えとなりますので、早めに修繕することが大切です。
(4)サビ
工場や倉庫の屋根材に金属が使用されている場合、経年劣化していくとサビが発生します。
見た目だけの問題であればそのまま利用し続けることも可能ですが、サビを放置しておくと金属部分に穴があくケースもあります。
雨漏りをして屋根材がダメージを受ける前にサビを落とし、その上から塗装をするようにしてください。
(5)シーリングの劣化
外壁の防水性や耐候性を高めるため隙間にシーリング材(コーキング材)を注入していますが、こちらも紫外線などの影響によって劣化していきます。
ですから日当たりの良い外壁のシーリングはより劣化しやすく、痩せていき、やがてひび割れが発生します。
ひび割れが発生すると防水機能が低下し、雨漏りの原因になりますので早急な対処が必要です。
シーリングはひび割れが起こる前にまず痩せていきますので、通常のシーリングより厚みがなくなってきたら劣化サインです。
(6)屋根の定期点検
屋根については自分で上って点検するのは危険ですので、定期点検は専門業者に依頼しましょう。
耐久性に優れている波型スレートですが、経年劣化するとひび割れが発生しますし、金属製の折板屋根であれば経年劣化でサビが発生します。
このような劣化サインを見逃して放置しておくと雨漏りの原因になりますので、定期的な点検と早めの修繕が大切です。
また、遮熱塗装や防水工事を施している場合、塗料が剥げていたり、防水シートの隙間に雨水が入り込んでいたりするようなことはないかも点検項目のひとつになります。
3. 修繕のタイミングで省エネリフォームをするメリット
経年劣化のサインは、工場や倉庫の修繕のタイミングになりますが、もとの状態に戻すよりもこの機会に省エネリフォームを施した方が多くのメリットがあります。
例えば外壁や屋根に遮熱性の高い塗料で塗装することで、外部からの熱の伝わりを軽減し、工場内の室温を下げることができます。
冷房の利きも良くなりますので電気代が削減できますし、暑さから解放されるので従業員の疲労や熱中症の危険を低減し、作業効率も向上します。
エネルギー消費量を減らし、CO₂排出量を削減することは世界共通の企業責務になっていますし、労働環境の改善も同じくSDGsに定められた世界共通の目標のひとつです。
SDGsを意識した積極的な取り組みについては、積極的にアピールしていくことで企業価値を高め、銀行の融資を受けやすくしたり、求人効果も期待できます。
省エネや労働環境改善のための工場リフォームや倉庫リフォームは、企業の成長や経営の安定にとってとても重要な要素です。
ですからただ修繕するのではなく、劣化サインが現れたタイミングで思い切って省エネリフォームを検討してみることをおすすめします。
修繕した数年後に大規模な省エネリフォームをしなければいけない場合、二度手間になるため、費用もそれだけ高額になってしまいます。
修繕と省エネリフォームをまとめてやってしまうのが、経済的にもおすすめです。
4. まとめ
工場や倉庫という大型建築物であっても外壁などは自分で点検し、劣化サインがどこかにないか探してみる習慣はとても重要です。
どのような劣化であっても早めに修繕すればそれだけ短期間で、安価に修繕が可能です。
また、一部の箇所が経年劣化しているのであれば、近いうちにほかの部分も同じ現象を起こす可能性があります。
まとめて省エネリフォームをして修繕すれば、しばらくは雨漏りなどのリスクを回避できます。
さらに省エネのための工場リフォーム・倉庫リフォームは、SDGsの取り組みとして企業価値を高め、人手不足を解消するための打開策にもなります。
さまざまなメリットのある工場・倉庫の修繕リフォーム、ぜひ早めに検討されてみてはいかがでしょう。
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