塗装のみ? 全面張り替え? 早期メンテナンスのメリットと修繕費用
世界中で注目されているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)には、17の目標があります。
そのゴール8は「働きがいも経済成長も」という労働環境を整備し、従業員の意欲を高めつつ経済成長を目指すというものです。
その実現のために必要なひとつが、働く場所のメンテナンスになります。
ここでは、工場や倉庫のメンテナンスの重要性や早めにメンテナンスを行うメリットについて、コストだけでなくこれからの企業に求められるSDGsの観点からも解説していきます。
また修繕箇所・修繕費用についてもくわしくご紹介します。
目次
1. 工場・倉庫の塗装メンテナンスとは
工場や倉庫の修繕に効果的なのが、「塗装メンテナンス」です。
例えば、工場の屋根の耐用年数は、波型スレートで25年、折板屋根で15年が目安となりますが、これはあくまでも定期的なメンテナンスを行い、大切に管理してきた場合です。
塗装メンテンナンスをせずに放置しておくと、屋根の寿命は短くなります。
まずはどこに注目してメンテナンスを施すべきなのか、確認していきましょう。
(1)定期的な雨漏り点検
屋根のひび割れや外壁のひび割れは、そこから雨水が浸入して構造自体に大きなダメージを与えます。
天井だけでなく、外壁も含めて雨漏りをしていないかの点検は定期的に行うようにしましょう。
雨漏りの侵入口が1つではない可能性もありますので、専門の業者に依頼し、サーモグラフィー調査をしてもらうと、建物全体の中でどこが雨漏りしているのか内部まで確認できます。
(2)床塗装の剥がれ・ラインかすれ・凹凸
工場や倉庫のメンテナンスというと、屋根や外壁ばかりに注目が集まり、床のチェックをし忘れがちです。
床塗装が剥がれて破片が散らばっていたり、床に凹凸ができていたりしないかについても点検しましょう。
台車が通る道や、設備、通路に置かれた備品などを区分するためのラインもかすれて消えてしまっているケースがありますので、こちらもよく点検するようにしましょう。
(3)メンテナンスで問題が見つかった場合
速やかに問題の見つかった屋根や外壁、床の塗装メンテナンスを検討しましょう。
修繕の規模はひび割れの程度や広さ、塗装剥がれの広さによって異なりますので、塗装業者に連絡し塗装や修繕を依頼します。
(4)予防的な施工
メンテンナンスで問題が見つからなかった場合でも、予防的な施工を依頼して、工場や倉庫の耐用年数を延ばすことができます。
例えば、屋根材を固定するボルトがむき出しになっているようだと、緩んでそこから雨水が浸入してくる可能性がありますので、ボルトキャップを設置するのが効果的です。
ボルトキャップの価格は1箇所につき70円から100円です。
傾斜がなくて平らになっている陸屋根は水はけが悪いため、雨漏りにつながる可能性が高いです。
陸屋根に経年劣化によるひび割れを見つけた際には、専門業者に依頼してすぐにウレタン防水工事や塩化ビニールシートを陸屋根面に張るといった防水工事を始めるようにしましょう。
雨漏りがなくても作業過程で床が濡れて滑ったり、凹凸につまずくといった事故が起こる可能性がありますので、床に滑り止め用に防滑性の高い塗料を塗布したり、滑り止め効果のあるコーティング加工で予防できます。
両方施工するのが理想的ですし、透明なコーティング材であれば床の色はそのまま維持できますので、ラインを保護することにもなります。
2. 雨漏りする前に点検・補修するメリット
実際に雨漏りが発生する前に点検し、補修しておくことで、そのまま放置して大きな損失につながってしまうリスクを軽減できます。
工場や倉庫では大切な商品を製造したり、保存されたりしていますので、雨漏りでその商品を濡らしてしまったら大変です。
商品価値は無くなり、お客様から預かっている商品であれば損害賠償を支払わなければなりません。
そうなると企業の信用低下という問題にも波及していきます。
また、経年劣化による塗装の剥がれやサビ、苔やカビといったものが目立てば、外からの見た目の印象が悪くなってしまいます。
それでは企業イメージを損なうだけでなく、その工場や倉庫内で働く従業員のモチベーションも上がりません。
さらに床の塗装剥がれや凹凸につまずいたり、雨漏りで滑ったりといった事故が発生する可能性も出てきます。
SDGsで示されたゴール8の安心・安全に働くことができる労働環境作りのためにも、早め早めの対応が必要です。
小さな修繕を施していくと工場や倉庫はその分だけ長持ちしますが、放置して大がかりな改修工事が必要になると高額な費用と長い期間がかかりますので、経済的にも雨漏りする前に点検・補修することは重要です。
3. 塗装と修繕・リフォームにかかる費用相場の比較
それでは工場や倉庫の塗装と修繕・リフォームにかかる費用の相場について確認していきましょう。
劣化状態によって修繕の方法は変わってきます。
比較的軽度の劣化であれば塗装のみで修繕できますが、内部までダメージが広がっているケースだと外壁の張り替えや屋根の葺き替えが必要になります。
(1)塗装のみ
塗装の剥がれだけでなく、小さなひび割れであれば塗装で修繕可能です。
防水性にある塗膜は経年劣化によって機能が低下していきます。
塗料の耐用年数の目安は、ウレタン塗料で8年、シリコン塗料で10年、遮熱塗料で10年、フッ素塗料で12年ほどになります。
塗装による修繕価格については、使用する塗料の種類や修繕面積によって異なります。
●塗装の価格目安
塗料種類 | ウレタン | シリコン | 遮熱 | フッ素 |
---|---|---|---|---|
1㎡あたり | 5,000円 | 6,000円 | 6,000円 | 7,000円 |
50坪程度 | 90万円 | 100万円 | 100万円 | 120万円 |
(2)カバー工法
すでに数カ所の雨漏りが発生している場合、塗装だけでは修繕できません。
強度については問題ないのであれば、外壁材や屋根材を残したまま、その上から新しい外壁材や屋根材を施工するカバー工法で対処できます。
カバー工法のメリットは、外壁や屋根の撤去作業や廃材処理といったコストをかけずに修繕できるという点と、二重構造になることで耐熱性が高まり室温省エネ化にもつながります。
メンテナンスによって2回目の塗装をする際にはかなりの年月が経過していますので、外壁や屋根の寿命を延ばすためにもカバー工法に切り替えた方がいいでしょう。
●カバー工法の価格目安
修繕箇所 | 外壁 | 折板屋根 | 波型スレート |
---|---|---|---|
1㎡あたり | 18,000円 | 8,000円 | 1万円 |
(3)外壁張り替え・屋根葺き替えの参考価格
ひび割れが長年放置され、内部まで雨水が浸入し、強度にも問題がある場合は、カバー工法では対処できないため、一度撤去して外壁の張り替えや屋根の葺き替えによるリフォームとなります。
この状態までいくと修繕費用が一番高額になりますが、外観の大幅なイメージチェンジができるといったメリットもあります。
修繕価格は外壁材や屋根材の種類によって異なります。
●外壁張り替え・屋根葺き替えの価格目安
修繕箇所 | 外壁 | 折板屋根 | 波型スレート |
---|---|---|---|
1㎡あたり | 22,000円 | 18,000円 | 3万円 |
4. まとめ
工場や倉庫はつくりが頑丈なので、メンテナンスや修繕を先延ばしにしがちですが、なるべく早く対処した方が、保管する商品の品質管理や、働く従業員の作業場の安全性やモチベーションアップ、そして長い目で見たときに管理維持費を抑えることができます。
志賀塗装では、工場や倉庫の定期的なメンテナンスや塗り替えリフォームを承っています。
工場・倉庫の定期メンテナンスや修繕&リフォームをお考えの法人様は、ぜひご相談ください。
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